先日自然素材で経年変化の楽しめる外壁材料の話しをしましたが、その中で焼きスギ板がある事を 忘れていました。これは結構使えます。写真はサンプルの一部です。昔は杉板を現場で焼いて作っ ていましたが、今ではこれも「製品」化されています。そもそも都心では焼けるわけがないのですが。 幾つかのメーカーから出ています。色味も漆黒からブラウンまで3種類くらいありウレタンクリア をかけた製品もあります。無塗装品の場合は漆黒のものは墨が手につきますが、時間が経てば墨部 分がはがれてきて色があせてきます。そうすれば色も着かなくなります。ただ当面の間は洗濯物な どを近くに干す場合に注意する必要があります。 焼きスギは庇を少し出してやると、かなり長持ちします。何年か経てば色は風化しますので気にな る場合は上から塗装が必要です。古色を出す「木の国・渋墨」は焼きスギの上からも塗ることが出 来るそうです。これならプロに頼まなくても自分たちで塗装出来ます。 焼きスギを含めた木の板を住宅の外壁に利用する場合の注意点として、「防火」の問題があります。 現在は大半の地域に何かしらの防火規定がされています。準防火地域や防火地域という指定がなく ても法22条地域という指定がほとんどの土地に適応されます。そうすると外壁に木の板をそのま まぺたっと張ることが出来ません。幾つか方法がありますが、一番安価で簡単なのが、下地に防火 ボードを張ってやることです。下の写真は室内側から見ていますが、外壁に張った防火石膏ボード です。下地で火の対策をしておけばその上から燃えやすい材料を貼っても問題ないという考え方で す。これで確認申請が通りますし、理にもかなっています。 現在国産木材の需要をいかにして伸ばすかという事を国を挙げて考えています。昔は難しかったの ですが、最近は様々な方法で都心でも木を使った魅力的な建物を建てることが出来るようになって います。規制が緩くなったわけではなく、杓子定規に木はダメという考え方を改めつつある結果で す。
by yoshim_architects
| 2012-04-23 15:12
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